ゴールデンウィーク最終日。思い思いの過ごし方をされたと思いますが、明日から仕事や学校という方も多く、少し憂鬱な気持ちの方もいるかもしれません。多くの場合は一時的な(サザエさん症候群、ブルーマンデー症候群のような)もので心配はないのですが、やる気が出ない、不安、体がだるいなどの状態がしばらく続く場合、五月病の疑いがあります。
特に今年は、しばらく続いたコロナ禍により、リモートワークや遠隔授業などが2年以上続き、規制も緩和されたことから出社や対面での授業の再会など、環境変化が見込まれます。これらの状態が1週間以上続く場合、カウンセリングや精神科、心療内科等へ相談されることをおすめします。今回はこの五月病について解説します。
1. 五月病とは
五月病とは、ゴールデンウィーク後に多く見られるもので、入学、新しい学年や職場に入る人や、新しい生活環境に移る人が経験するものとされています。新入社員や高校や大学に入学した直後の学生にも多いと言われます。また、ゴールデンウィーク後に起こることが多い病気なので、環境変化の適応に頑張った4月の疲れやストレスも1つの要因として挙げられるものです。症状としては、体調不良、頭痛、倦怠感、集中力の低下、イライラ、不安感、うつ状態などさまざま挙げられます。
五月病は広い概念であり、定義こそ正確には定まっていないものですが、ある調査によれば2人に1人が五月病を経験した可能性があるなど、現代人には無視できないものとなりました。現在は若者だけではなく、異動や昇格、転職や退職などの環境変化により中高年層でも五月病とみられるケースが多く見られるようになりました。
上記のような症状をともなう五月病により、生活の質はもちろん下がりますし、生産性の低下など個人・社会にとっても大きな損失を与えます。
なお、五月病はいわゆる通称名であり、正式な病名ではありません。五月病的症状は、うつ病や抑うつや適応障害などが当てはまります。つきまして、これらの疾患への対策が五月病へも有効であると考えます。
2 .五月病に気をつけるべき人の特徴
五月病に気をつけるべき人の特徴はいくつもありますが、ここでは代表的な例を紹介していきます。
・大きな環境変化があった人
4月には就職や入学、異動なども多い時期だと思います。学生の方々で言えば新学期、クラス替え等で関わる友人が変わることも大きな環境変化であると言えます。言わずと知れたことですが、人間の性質的に人間は環境変化を好まない生き物です。なので、(あまり気づかないことも多いですが)知らず知らずのうちにこのような環境変化が自分への負担になっていることを頭のどこかに留めておくことが大事です。
・完璧主義、真面目
優れた成果を出すことが多い完璧主義者ですが、メンタルヘルス的観点に立つと注意が必要です。完璧主義は一般的にこだわりが強く、ある意味で自分のこだわりが最優先なタイプであるので、視野が狭窄している状態であるとも言えます。視野が狭くなった状態で、自身が把握できていない情報や出来事に触れてしまうと、イライラとストレスが溜まってしまいます。特に就職や入学等で環境が変わった場合、自身が予期しない失敗などをしてしまう場面があるかもしれません。自身が予期しない、把握できない出来事がトリガーとなり、心の健康を崩してしまう可能性があるタイプです。
・他者の目が気になる人
人の目からどう見られているか、非常に気になるという方も注意が必要です。変化のあった慣れない環境下では、いつもよりもまして「他者からの目」センサーが過敏になります。しかし、センサーを働かせるには体力が必要ですから、すり減りも大きいです。この心身の疲労が五月病へとつながってしまう可能性があります。
3. 五月病への対策
ここまで、五月病に注意が必要な方の特徴をまとめてきました。ここからは対策について考えていこうと思います。
・視野を広げる
自身の基準で絶対に〇〇すべきという「すべき思考」や白黒はっきりさせたい、成功か失敗のいずれかであるという「全か無か思考」のような、人間にはいくつかの思考の癖があります。このような思考の癖は誰しもが持つものです。しかし、人によりこの思考の癖の程度も異なりますので、自身にどのくらい思考の癖を持っているか、セルフチェックをし、把握することも視野を広げることに役立ちます。
・知識をインプットする
「視野を広げる」に関連することですが、知識をインプットすることも大事です。五月病で言えば、五月病にはどのような症状があるのか、どのような要因で引き起こされるのか、その対策はどのようなものがあるのか、などメンタルヘルスに関する知識をインプットしておくことで、いざ自分が危険な状態になった時に気がつける可能性を高めてくれます。
・しっかりと睡眠をとる
ゴールデンウィークでついつい夜更かしなんてことも少なくないと思います。いつもより少し早く、長めの睡眠をとることもおすすめです。また、スマートフォンなど光を発するものを就寝前に長時間触れると、ヒトは昼間だと錯覚し、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質の低下に繋がります。就寝前に強い光を発するもの(スマートフォン、テレビ、パソコンなど)を控え、質の高い睡眠を意識しましょう。
・遊ぶ(リラックスする)
対策をいろいろ述べましたが、最も重要なのは遊ぶこと、リラックスすることだと思います。親しい人と会う、好きなアニメや映画を見る、スポーツをする、趣味に没頭するなど、好きなことであればなんでも構わないです。
ただ、そのようなものがないという方もいらっしゃるかもしれません。その場合は無理して趣味を見つけようとせず、受け入れる意識が大事です。そして、さまざまなことを体験する機会を得られるよう、「誘いをなるべく断らない」「ひとり旅」など行動してみてはいかがでしょうか。
あるいは、自身の生活の一部を変えてみるという行動も効果的で、例えば「いつもと違う道で帰る」「いつも聞く音楽とは違うジャンルに手を出してみる」など小さい変化を取り入れることで、ゆくゆく何かと出会うことができるかもしれません。
4. まとめ
本日は五月病について、対策も含めてまとめてきました。4月、5月は年度始めでもあり、新しい環境に適応するためには大事な時期かもしれません。しかし、頑張りすぎるあまり、心身の健康を損なってしまっては元も子もありません。適度に休息を取りつつ、日々の生活をお過ごしください。
なお、5月病への対策など、カウンセリングでもご相談いただくことは可能でございますので、もしご希望ございましたらオンラインへのカウンセリングへもお越しください。
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また、不安や鬱症状などが続いてしまう場合は、精神科等へ相談されることもお勧めします。カウンセリングへの相談や受診の目安についてはこちらのコラムに紹介がありますので参考にしてください。
■心の病気のサインと専門機関への受診
https://wibero.co.jp/column/1
執筆者
上田捷悟
Shogo Ueda
公認心理師
企業向け教育支援事業等に従事し、各組織の人材育成を支援。その後、合同会社Wiberoを設立。公認心理師。おしるこが好物。
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