学生のメンタルヘルス対策について

学生のメンタルヘルス対策は、現代社会において非常に重要です。学生は、勉強や就職活動、人間関係など、様々なストレスを抱えているため、メンタルヘルスの問題が起こりやすい状況にあります。うつ病や不安障害、適応障害などの精神疾患が増加しており、その原因としては、社会的プレッシャーや生活環境の変化、コミュニケーションの欠如などが挙げられています。また、この2年ほどはコロナ禍でありリモート中心でありましたが、ほとんどの領域においてリモートから対面へ、戻っていく傾向が見られるなど、ここ最近は環境変化も激しい状況です。こうした背景から、学生のメンタルヘルス対策は、今後ますます重要になっていくと考えられています。今回は、学生のメンタルヘルスと対策について考えていきたいと思います。

1. 学生のメンタルヘルスの現状

日本の学生のメンタルヘルスに関する調査からは、大学生のおよそ3割弱が抑うつの症状を経験しているということが明らかになっています。しかしながら、このような現状にも関わらず、組織的な予防を目的とした心理的アプローチはあまり取り入れられておらず、大学での1次予防的研修やセミナーを実施している割合は、国立で3割程度、公私立に関しては1割にも満たない結果が明らかになりました。このように、予防に関してニーズは顕在しているものの、組織としての対応が追いついていないといった現状が見られます。それでは次に課題について考えていきます。

2 .現状の課題

現状、以下のような問題や課題が挙げられることが多いです。

  1. ストレスや孤独感による不安やうつ病の増加
    現代社会において、学業や就職などのプレッシャー、SNSやオンライン授業(あるいは対面授業)による孤独感など、学生が抱えるストレスや不安が増えています。これらの要因がうつ病や適応障害などのメンタルヘルスの問題を引き起こしていると考えられます。

  2. 就職活動によるストレス
    就職活動は、学生にとって大きなストレスの原因の一つです。就職先が決まらないことによる自己否定感や不安、また就職活動に専念するために学業に対しての不安など、メンタルヘルスの問題を引き起こす原因の一つになります。

  3. ネット依存やゲーム依存症などの問題
    スマートフォンやパソコン、テレビゲームなどのデジタル機器によるネット依存やゲーム依存症も、学生のメンタルヘルスに悪影響を与えることが報告されています。

3. 予防や対策

学生のメンタルヘルスの予防や対策について、以下のような取り組みがあります。

  1. 学生自身の自己管理とストレスコーピングスキルの向上

    学生自身が、適切な自己管理を行い、ストレスコーピングスキルを向上することが大切です。適切な睡眠や栄養の摂取、運動などの健康的な生活習慣を取り入れることや、友人や家族とのコミュニケーションを大切にすることが、ストレスや孤独感からくるメンタルヘルスの問題を予防するために必要です。これらのスキルを向上させるような心理教育が欠かせないということです。

  2. 学校や大学、企業の取り組みの強化
    学校や大学、企業が、メンタルヘルスの問題を予防するための取り組みを強化することが必要です。定期的な健康相談や心理カウンセリングの提供、メンタルヘルス教育の実施、就職活動におけるアドバイスなどがその一例です。

  3. 相談窓口の充実
    学生がメンタルヘルスの問題を抱えた場合に、相談窓口が充実していることが大切です。心理カウンセリングや精神科などの専門機関に相談できるような環境を整備することが必要です。小規模な学校では、カウンセリングルームの設置が難しい場合もあると思いますので、アウトソースする選択をとられる組織も増えてきています。

4. 相談窓口

学生がメンタルヘルスの問題に直面した場合には、以下のような相談窓口があります。

  1. 学校や大学のカウンセリングルーム 多くの学校や大学には、カウンセリングルームが設置されています。ここでは専門のカウンセラーが相談に応じてくれます。

  2. 市町村の精神保健福祉センター 市町村の精神保健福祉センターでは、専門の医師やカウンセラーによる相談が受け付けられています。

  3. NPO法人や民間のカウンセリングルーム NPO法人や民間のカウンセリングルームでは、カウンセリングや心理療法などの専門家が相談に応じてくれます。

上記の中で、最もリーチできる可能性があるのはやはり学校のカウンセリングルームになるのではないでしょうか。学生向けの心理教育や周知徹底、相談しやすい環境づくり(チャットを取り入れるなど)あらゆる方法を試すことが求められるかもしれません。

5. まとめ

以上より、学生自身が自己管理やストレスコーピングスキルを向上すること、大学等学校が取り組みを強化すること、相談窓口を充実させることが必要です。

学生がメンタルヘルスの問題に直面した場合には、学校や大学のカウンセリングルーム、市町村の精神保健福祉センター、NPO法人や民間のカウンセリングルームなどが相談窓口として利用できます。

最近では、SNSやネット上での匿名相談サービスも増えており、気軽に相談できる環境も整備されています。しかし、重度の問題には専門家のカウンセリングや精神科の受診が必要であることを忘れずに、早めに相談することが大切です。

学生が健やかなメンタルヘルスを保ち、将来に向けてしっかりとした社会人として活躍するためにも、学校や大学、企業、社会全体でメンタルヘルスの問題に取り組むことが必要です。

Wiberoでは、学校向けのカウンセリングサービスやストレスコーピングスキルの向上を目的としたセミナーを提供しています。これらのサービスが各学校の支援体制充実にお役立ていただけるものになっていますので、詳しくは以下よりご覧ください。


■学校向けカウンセリングサービス
https://wibero.co.jp/serveice2b/school
■<初回限定価格5,500円>カウンセリングを予約する
https://yoyakuwibero.simplybook.asia/v2/#book/service/8/count/1/
■学生向けメンタルヘルスセルフケア研修
https://wibero.co.jp/serveice2b/train_lineup/selfcare-school

執筆者

上田捷悟

Shogo Ueda

公認心理師

企業向け教育支援事業等に従事し、各組織の人材育成を支援。その後、合同会社Wiberoを設立。公認心理師。おしるこが好物。

pan_tool

研修・セミナー・ワークショップ

コラム